可視化された課題を乗り越え、
再成長のステージへ
代表取締役社長
有村 譲
当社は『「食」で「好き」を もっと 楽しく』をミッション(使命)として掲げ、社内の全メンバーがその達成を日々目指しながら、飲食サービスとコンテンツ企画サービスという2つの事業を推進しています。飲食サービスでは「kawara CAFE&DINING」を筆頭とするカフェダイニング業態を主軸とし、関東、東北、東海、近畿及び九州地域の繁華街エリアを中心に様々なブランドの直営店舗を展開してきました。コンテンツ企画サービスでは、飲食店運営を通じて社内に蓄積された知見を活かし、著名なキャラクターやブランドなどとコラボレーションしたイベント特化型店舗(コラボカフェ)の運営、店舗プロデュース(他社運営店舗への開業支援・運営受託)のサービスに取り組んでいます。
2026年2月期もミッションの達成に向けて魅力的な商品の提供やSNSマーケティングなどの販促に努めてまいりましたが、飲食サービス事業における売上高は前年同期比で5.4%のマイナスとなりました。コンテンツ企画サービスにつきましては、運営受託店舗のキャラクターカフェへの集客が好調であったことや、コラボカフェにおける物販の内製化(自社による企画・調達・販売)が奏功し、売上高が同13.3%増となりました。これらの結果、全体では売上高が同0.1%減、営業利益が同12.7%減、経常利益が同8.0%減となっています。
2026年2月期の業績が目標未達となった要因について分析したところ、当社は3つの構造的課題と直面しており、それらを速やかに解決すべきであるとの結論に達しました。課題の1つは、外部要因に左右されやすい出店ポートフォリオの是正です。
施設側やオーナー様の意向による退店が発生したことから、当社が立てていた計画との乖離が生じました。そこで、契約条件の精緻化を図るとともに、リスク分散による出店ポートフォリオの再構築を図ります。これまで商業施設に依存する傾向が見られた出店攻勢を見直し、我々の意思で営業を継続できる路面店の開拓に取り組んでまいります。
2つ目の課題としては、大きく変化したコスト構造への対応が挙げられます。原材料価格や賃金などの上昇によってコスト負担が増していますが、それらを商品価格に転嫁することが後手に回っていました。おそらく今後も構造的に物価の上昇傾向が続く可能性が高いだけに、適正な価格転嫁を進めるとともに、最新のフードテックの活用による収益構造の改善を図ってまいります。さらに、人気コンテンツを忠実に再現したメニューなどのように、より付加価値の高いサービスを提供することでお客様の体験価値向上に努めます。この体験価値向上に向けた商品開発の強化に関しましては、専任の商品開発担当者をすでに配置しており、現在具体的な開発を進めています。
3つ目の課題は、集客が我々の想定を下回ったことで、コラボカフェの一部コンテンツにおける実績が目標未達に留まっていることです。しかし、今期の「僕のヒーローアカデミア」や「銀魂」といったビッグコンテンツでのコラボ実績により、大手版権元とのパイプが強化されています。この実績と信頼関係を基盤に、当社の強みである商品企画力・運営力を活かした能動的な提案活動を推進し、集客力の高いコンテンツの獲得を積極的に進めてまいります。また、これまで我々が手掛けてきたコラボカフェは、先方から話を持ちかけていただいた案件が中心でした。今後は自らが率先して魅力的なIP(知的財産)を精査し、こちらからも積極的にコラボレーションを提案していきたいと考えています。
これら3つの課題を解決するため、すでに様々な施策に着手しております。その具体例の1つは、新たな出店モデルへの挑戦です。チーズフォンデュやチーズパスタなどの幅広いチーズ料理をカジュアルな空間で楽しめる「Cheese Table」ブランドは、これまで新宿と池袋で若い世代を中心ターゲットとして展開してきました。2025年12月にオープンした「Cheese Table-carnival- コピス吉祥寺店」は、商業施設における契約条件や収益構造を精緻に検証するモデルケースと位置づけています。今後は条件を厳選したうえでの商業施設出店と、自社の意思で営業を継続できる路面店開拓の両輪で、リスク分散されたポートフォリオの構築を進めてまいります。
一方、課題の解決に当たっては「再現性の追求」も重要な施策として捉えています。どういったエリアでどのようなサービスを展開すると多くのお客様から高い支持を獲得できるのかに関しまして、これまで我々は豊富なノウハウを蓄積してきました。その強みを発揮し、立地特性や収益構造の検証を通じて再現性の高いモデルに的を絞った開発を推進してまいります。
2026年2月期の業績に関しまして、株主の皆様に多大なる心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。我々は同期を再び成長を遂げていくための「準備期間」と位置づけ、今後は可視化した課題に対し実効性ある改善策を力強く推進していきます。加えて、数年来の経営合理化策も奏功し、営業利益の改善もさらに進んでいく見通しです。2027年2月期につきましては、売上高が前年同期比で0.8%減となるものの、営業利益が同44.4%増、経常利益が同37.8%増となる見込みです。
今後も各々の施策を遂行することで再び成長のピッチを加速させ、株主の皆様や従業員、コラボレーションのパートナーといったすべてのステークホルダーの方々に安心して応援していただける会社になるため、一丸となって力を注いでまいります。つきましては、今後も引き続きご支援とご指導を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
